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Posted by TI-DA at

2011年09月26日

1500水槽ー『サンゴの色の実験』

ミドリイシさんご礁の飼育で、いつも話題になる『』ですが、デルフィスの1500実験水槽で、ある実験をしました晴れ

温度計
下のデジタル表示がファームドコーラルズのサンゴたちを飼育している1500水槽の水温(8月)です。みなさんのご自宅の水槽の水温と比べてどうですか?今回、水温を上げて生体の色の変化をみてました。

従来25℃で設定していた水温を、生体の状態を見ながら28.5℃まで徐々に上げ、褐虫藻にストレスを与えていきます。光環境(レフムーブⅡ250W×3灯)や水質の管理方法は従来通りで、コンディショナー等はライブシーを使用し、水質を管理。クーラー設定温度との誤差は±0.5なので写真では28.8℃を表示しています。
(設定29℃、水温29.2℃まで確認しましたが、少し生体の状態も落ち着かなかったので28.5℃に戻しました。)

先日、デルフィスホームページのまめ知識ー造礁サンゴの色①-色素をアップしましたが、サンゴの色がパステル調や鮮やかな色になる条件に
①褐虫藻にストレスを与える。
②貧栄養下環境であること。
があります。晴れ
詳しくはデルフィスホームページのまめ知識ー造礁サンゴの色①-色素

色鮮やかな色素を持つサンゴは遺伝的なものなので、どのサンゴも必ず変わるというものではありませんが、貧栄養下環境を保ちながら、【①の褐虫藻にストレスを与える】手段として温度をあげ、サンゴの色の変化を見てみました。(但し、水温上昇は生体がすぐに白化することがあるので注意。)

2010年9月のハナヤサイ下。水温はまだ25℃

照明の青色が強く入りこんでしまってわかりにくいですが、サンゴの色がまだ茶褐色なのがわかりますか?

レイアウト位置は変わってますが、上の写真と同じ個体です。1月から手前にハナヤサイサンゴを2つ置きました。水温はまだ25℃設定です。2011年2月3日撮影。下
ハナヤサイ2月

3月までは、25℃前後の水温が、4月頃から気温が暖かい日は25.5℃あたりまで水温が上がるようになってきました。サンゴの状態も落ち着いていたので、6月20日から0.5℃づつ徐々に設定温度をあげ、7月4日に28.5℃に設定。
下の写真は2011年8月20日撮影。ハナヤサイ7月

2011年9月13日撮影下
水槽全体

今回、ハナヤサイ系は最もわかりやすく色が変化しました。その他のサンゴは、コエダミドリイシは濃緑が少し薄くなったり、ムギノホやスゲミドリイシは茶褐色が少し薄く、もともと少し紫がかったピンク色のドネイやショウガサンゴなどはよりピンク色に近づくなど、生体によって色の変化の仕方やスピードはさまざまです。
先ほども書いてますが、どのサンゴも必ず色が変わるというものではありませんし、状態や生体によっては白化することがあります。
今回は水温でサンゴにストレスを与えて実験しましたが、サンゴにストレスを与える場合、いずれの手段であっても、ストレスの掛け過ぎは生体が白化することがあるので、ご注意してくださいね。
詳しくはデルフィスホームページのまめ知識へー造礁サンゴの色①-色素  

Posted by DELPHIS at 20:08社内の水槽